第11章 ブルーデイジー
side灰谷竜胆
『あ、竜ちゃんにチーズケーキあげてない!
私ガトーショコラもらったのに!』
急に大きな声を出すからびっくりした。
兄ちゃんから貰えばいいし別にいいのに。
「いいよ、東堂の減っちゃうだろ」
東堂はこれが食いたくて来たんだからわざわざ人にあげることねえのにな。
『ううん、私が食べて欲しいの!
竜ちゃんお口…あーんっ』
「い…いいって…っ」
東堂からあーんとか嬉しすぎてどうにかなる。けど照れくさすぎて素直に口を開けられない自分がいる。
「素直に貰えよ竜胆」
兄ちゃんはできるかも知んないけど俺は恥ずいって…!
「いらねえなら俺が貰うけど?」
そ…れは嫌だ…っ
場地が食うなら俺が貰う…
『圭介くんさっき食べた!
竜ちゃんあーんして?』
「あ…あーん…っ」
目の前に差し出されたチーズケーキを口に入れた。あーんとか昔は普通にやってた気がする。あの時も今も変わらず東堂のことが好きだけど、今はなんていうか…あの頃より心と体も大人になったっていうか…こんな綺麗になった東堂をみてドキドキしない方が無理な話だ。
『どう?美味しい?』
「うん…ありがと…//」
味なんて全然分かんなかったけど東堂が満足そうに笑ってるからなんでもいいや。