第11章 ブルーデイジー
「じゃあお前らは俺らと東堂が出会うずっと前から一緒だったんだな。」
なんとも言えない表情の場地に俺も言葉がまとまらない。
「うーん…そうだね。だけど東堂ちゃんが辛い時に一緒にいてあげられたのは俺たちじゃないからさ。今こうやって東堂ちゃんが笑ってられるのは東卍のおかげでしょ?」
「あ、いや、まあ…そうだといいな。
じゃあ何でまた会うようになったんだ?」
「六本木に去年できたコース料理屋分かる?この前あそこに竜胆と行ったらたまたま東堂ちゃんが蓮くんと…あー、お兄ちゃんと来てて。ほんと偶然会って連絡先交換して今に至るって感じかな。」
「そっか。」
場地は静かに俺の話を聞いてた。お互いが東堂との関係を明かしてなんだかスッキリした。
「お前なんで六本木行かなくなったの?」
「おい場地…人には話したくねえこともあんだぞ
無神経に聞くんじゃねえよ」
黙り込んでいた竜胆が場地の質問に声を荒らげた。東堂ちゃんがなんで六本木に来なくなったのか俺らは薄々気づいてたから。
『いいよ竜ちゃん。話すから。』
「でも東堂…っ」
『あのね圭介くん。昔お母さんとお父さんに連れられて何回も六本木のパーティ会場に行ったり、ご飯食べに行ったり、お買い物しに行ったり、あまりにもお母さんとお父さんとの思い出が多いから…行ったら思い出して立ち止まると思ったの。だけどお兄ちゃんと一緒に行ったら大丈夫だったし蘭ちゃんも竜胆ちゃんもいるからもう平気。もう大丈夫だから。』
「ごめんまた…無理に話させた…」
『私が聞いて欲しくて話したの
圭介くん悪くないよ』
そう言って場地に笑顔を向ける東堂。
『私にとって東卍と蘭ちゃん竜ちゃんは大切な存在だよ。みんな大好き!これからもずっと一緒にいたいなあ。』
東堂ちゃんの明るさに何度救われただろう。いつもは天然でおっちょこちょいでフワフワしてるのに東堂ちゃんの言葉や表情で空気が変わる。皆の心を温かくしてくれる感じ。ほんと適わないよ。