第11章 ブルーデイジー
side灰谷蘭
「東堂ちゃんはどうして東卍とつるむようになったの?」
今ここで俺たちが知りたいのは東卍と東堂、俺ら灰谷と東堂のそれぞれの関係性。暴走族とご令嬢がなんでこんな普通にカフェ来てるかって話。
『うんと、もうすぐ4年経つかな…みんな知ってると思うけどお父さんとお母さん急にいなくなっちゃってさ…。お兄ちゃん跡取りとかで忙しいし瀬川も私にばっか構ってられないしさ…1人で家に籠ってたら苦しくてね。おうち飛び出して気づいたら近くの公園についてた』
「おい東堂無理に話すことねえぞ」
『大丈夫圭介くん。ありがとう。
それでね、寂しくて寂しくて泣いてたの。そしたら「大丈夫か?」って圭介くんが話しかけてくれたんだ。それが初めて出会った日。そのまま私の手を引っ張って東卍の皆のとこ連れてってくれたの。ひとりぼっちだった私に居場所をくれたの。』
東堂ちゃんがゆっくりゆっくり話してくれた。辛い過去を思い出させていることに胸が痛くなった。それと同時に東堂ちゃんにとって東卍の存在がどれだけデカいか痛いほど分かった。
「もういい東堂。
思い出すようなこと喋んなくていい」
そう言って背中をさする場地の手が、表情が東堂ちゃんをどれだけ大切に思ってるが語っている。
それを見て黙りこくってしまった竜胆に代わって俺が口を開いた。
「東堂ちゃんありがとう。
俺たちの出会いは俺が話そうか。」
『うん。』
優しく問いかけ東堂ちゃんの返事を待ってから場地に話す。
「東堂ちゃんが小学校に上がる頃かな?俺たちは六本木でセレブが集まるパーティがあるって言うからこっそり会場に忍び込んだの。そしたら庭に1人で座り込んで花冠作ってる東堂ちゃんを見つけたの。そんで竜胆が話しかけて…その日は名前聞いて別れたんだど、東堂ちゃんが六本木に遊びに来る時は俺らが案内したりご飯一緒食べたりしてた。けど数年前から東堂ちゃん六本木来なくなってね…ずっと会えてなかったんだ。」
俺だって急に会えなくなって寂しかったんだよ。竜胆が東堂ちゃんを好きだって分かってるから俺は気持ちを抑えなきゃって…いつも竜胆慰めてたけど…。止まんなくなるから考えんのやめよう…。