第11章 ブルーデイジー
side灰谷竜胆
『圭介くん、いつものカフェ行こう?
あそこのチーズケーキ食べたいっ』
「あー、最近行ってなかったし行くか
東堂それしか食わねえのな」
いつものカフェ…。俺と会ってない期間にどれだけこいつとの時間を過ごしたのだろう。考えるだけで胸が苦しい。
『だって美味しいんだもん!
蘭ちゃんと竜ちゃんにも食べて欲しい!』
「東堂ちゃんオススメのお店に連れてってくれるの?楽しみだなあ。丁度甘いもの食べたかったんだよね」
喋らなくなった俺の代わりに兄ちゃんが口を開いた。
『竜ちゃんの好きそうなコーヒーもあるよ!』
え…?なんで覚えてるんだ?
数年前に1度だけコーヒーが好きだって言った事はあるけど…。
「俺がコーヒー好きなの覚えてたの?
何年か前に1度言っただけなのに…っ」
『覚えてるよ?
だって竜ちゃんのこと大好きだもんっ』
「ー…。東堂…嬉しい…//」
やばい嬉しい…ニヤける…。
『竜ちゃん…?お顔あかいけど…お熱?』
心配そうな声を出して俺をのぞき込む東堂に、こんなダラしない顔を見られたくなくてバッと逸らしてしまった。
「や…っちがう!ちょー元気…!」
心配してくれただけなのにゴメンな。
感じ悪かったよな…。
『そう…?もうすぐ着くからねっ』
「お、着いた。ココココ。」
2人の声に視線を戻すと落ち着いた雰囲気のカフェに着いた。結構並んでるけど…人気なのかな?
「東堂ちゃん、俺と場地で買っとくから竜胆と先に席着いててくれる?チーズケーキがいいんだよね、飲み物は?」
兄ちゃんナイスアシスト…!
俺と東堂を2人にしてくれるなんて…!
『わかった!うん、チーズケーキ食べる!
アールグレイのアイスにしようかな』
「了解、竜胆もなんか適当に買ってくね」
「ありがと兄ちゃん。東堂いこう」
わーわー騒ぐ場地を背に俺は東堂の手を取って席を探した。角にある窓側の4人がけ席を見つけてそこにすることにした。どー座ろうか…。隣にって思ったけど向かいに座った方が顔見れるしな…。兄ちゃんと場地が隣ってのも変だし。よし、向かいに座ろう。