第6章 宇宙に帰る
「何してんだ、イザーク。謹慎命令なんてお前らしくないぞ。」
いつものようなひょうきんな感じはなく、真面目なディアッカがイザークの元を訪れる。
「お前は知っていたのか?」
「・・・知らねえよ。知ってたら止めただろう。」
「彼女は・・・?」
ディアッカの返答がない。
「ディアッカ・・・?」
「・・銃殺刑だ。」
がたんと椅子を倒し、イザークが立ち上がる。
「落ち着けよ・・・・って言っても無理だろうがな。ラクス議長が・・・、お前が頭が冷えた状態になったら来いって。」
「今すぐいくと伝えろ!!!」
イザークはディアッカに掴みかかる。
「わかってるよ。いくぞ・・・。」
ヒルデは白い部屋に1人拘束されて座っていた。
「ラクス議長・・・。」
「イザーク隊長、頭は冷えましたか?・・あまりよろしくないですが今回は大目に見ました・・・。このガラス越しに彼女がいますが、今彼女は私たちが見えていません。」
軽くラクスが手をあげる。
がシャンという音とともに彼女の焦点が合う。
「・・・何か言い残すことはありますか?」
ラクスが静かに問いかける。
「私のことは誰が撃つの?」
「あなたが知る必要はありません・・・。」
クスリと余裕たっぷりにヒルデが笑ってみせる。
「なぜ・・・。君はイザークが好きだったんじゃないの?」
「キラ!!!」
驚いたようにラクスは目を見開く。
堪えきれないと言ったように吹き出すと、大声で笑う。
まるで無邪気な子供のように。
誰もが壊れてしまったのだと思った。
「私が・・?好き??ふふふ。ねぇ、知ってる?ブリュンヒルデは愛する人が死んで、その後を追ったのよ。」
彼女はうっとりとした表情でイザークを見つめる。
「どういうことがわかるでしょう?私はもうすぐ彼の元にいけるのよ。これ以上嬉しいことはないわ!」
楽しそうに嬉しそうに笑う。
「ねぇ?イザーク私を殺してくれる?好きだった女を撃って、その女は他の男と永遠になるの。どう?素敵でしょう?」
「君は・・・本当にどこまで残酷なことができるんだ・・」
苦しそうに声をキラが絞り出す。
「さっきの君はまだ自分の罪を認めようとしていたように見えたけど・・?」
「そうすれば彼の元へ行けるもの。」
ケロリと何事もなかったように答える。