第6章 宇宙に帰る
DD感染症
生物兵器を作ろうと実験体にされていた。
気付かれない、即効性のあるものを開発していたが、即効性はなく、またウイルスを直接打ち込まないと感染せず、失敗に終わった。
だがその後遺症が今になって襲ってきた。
「ねぇ、ラウ・・・。死んだら会えるのかな・・・。明日もねイザークが来てくれるって・・・。本当は私、幸せになって良かったのかな・・・。」
血が喉を逆流してくる。
ストレスがかかった事で一気に進行したのだ。
こわい、こわい。
死ぬのが怖いなんて。
誰か抱きしめてほしい。
ポロポロと涙が溢れる。
ここで血を吐いたらカメラで以上を察知して誰かが来るだろう。
吐くのを我慢した血が肺に入る。
むせるのを必死に耐える。
苦しい。
でもこれで終わるのだ。
苦しいのに頭は冷静で、溺れるってこんな感じなのかな?なんて考えてみる。
反射でむせてしまい、血が溢れる。
鉄の匂い。
自分にはここがお似合いだ。
真っ赤な血を見ながらゆっくりと瞼を閉じる。
震える体は止められなくて惨めで惨めで仕方ない。
でも、これで良かったのだ。
愛しています、ラウ。
そしてー