第5章 宇宙に惹かれて
大きな花束を持って幸せそうに笑う少女と少年そして、
「隊長・・・?」
仮面をつけていないがなんとなくわかる。
赤福を着ている。
その写真以外はかなり破損して見ることができない。
「かなり壊れてるね。」
「ああ。」
それでも、他に写真がないかを探す。
「これは?」
そこには白服を着たクルーゼと薄紫色のドレスを着たヒルデが写っていた。
「おい、これってアスランの婚約パーティーの・・。」
「よくわかるなディアッカ。」
「ここの端にいる女に絡まれたから覚えてるよ。」
クルーゼが撮ったのだろうか。
少し影のある笑顔。
正式な場所では髪を結うが全て下ろしている。
細い髪が優雅に風に揺れる。
少女から大人になる瞬間。
「綺麗だな・・・。」
思わずつぶやいていた。
「あの子、彼と知り合いだったみたいだね。」
「知ってたんだな。」
「うん、先にみっちゃったから。それに一緒に写真とってるだけで親しいわけじゃなかったのかもしれないし。」
そんな考察あるか、と突っ込みたくなるが黙っていた。
「あの子が今回の事件を引き起こしている可能性は・・・?」
「それはないだろう。」
「イザーク、それは危険な考えなんじゃないのか?あのクルーゼ隊長は当時のザフトに従ったまでだと言う考えもあるが、その凶悪さも問題視されている人物だ。あのコロニーに関係があったのに黙っていたのも気になる。」
「しかし!」
「婚約者だってことはわかってる。だけど疑いたくなっちゃうよ。これだけ出てくると。」
「わかった、少し借りるぞ。」
イザークは端末を手に取り、自室へと戻った。
「ヒルデ?」
ベッドに部屋に戻ると言う書き置きがあったため探すのをやめる。
そして端末をイザークのパソコンにつなげる。
「他の情報はないか・・・。ん?」
見ていないファイルがある。
それはクラウド保存されているものだった。
その中にある一番新しい動画。
「ヤキンが落ちた日・・・・?」