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歩み出せるなら

第4章 運命に操られて


ああ、懐かしい。
この血と火薬の匂い。
飛び散る薬莢と血。

ああ、私のいるべき場所。
別に、彼が言ったように幸せに生きれると思ったわけではない。
一人、一人と屍が増えていく。

「もう終わり・・・・。」

20人近くを一人で倒す。

「今すぐ武器をおろせ!!さもなくば、この艦ごとデブリに衝突するぞ!!」

艦内にアナウンスが響く。
恐怖でまともな判断ができていない者たちは銃をおいて投降するだろう。
デブリに突っ込んで死ぬのなら、漏れなくテロリストも死ぬことになるのだが。
死は怖くない。

シホをどうするか。
終わるまでいてもらおうか。

「終わりました・・・・。」

「!!ヒルデ!!!無事なの!!ここから出して!!」

ロックを解除すると、覚悟を決めた彼女が立っていた。

「私もザフトの兵士よ!赤服が泣くわ、私も戦う!!」

きっとこの中にいる間、ずっと自分を鼓舞していたのだろう。
こういう人が生き残るべきなのだ。



「きゃっ!!!」

「うるさい黙れ!!!イザーク・ジュールはどこだ!!」

クルーを人質にとって練り歩いているらしい。
敵の死角にイザークがいるのが見えた。

「隊長・・・。」

彼を見てホッとしたのだろう。
小さくため息をつく。

「我々は!コロニーメンデルで入手したデータの回収および、それを見たお前らを消しにきた!しかし!交渉次第ではお前らの何人かは生かしといてやろう!。」

人質にとった女性を前に突き飛ばし、頭を撃ち抜いた。

それを見ていた一般兵の中でパニックになったものが突然叫び出す。

「次はお前を人質にするかな?」

怯えて動けなくなっている女性、多分整備士を掴む。

「どうか!命は!!」

「は?」

「あ、赤ちゃんがいるの!!やっとできたこなの!!お願い!殺さないで!!!!」

敵はニヤリと口を歪ませる。

「これはこれは、適任だな?」

「いやぁぁぁぁぁ!!」

「ちっ、うるせーな!」

女性の足を撃ち抜く。

「もう片方も撃ってやろうか?」

転がる女性を足でつつく。
隣でシホが怒りで震えている。
今にも飛び出して行きそうだ。

「立てなくなっちまったな?これじゃあ役に立たねえから」

「私が人質になります!私はこの隊の隊長イザーク・ジュールの婚約者です!」
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