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歩み出せるなら

第4章 運命に操られて


「!ヒルデ!!」

「シホ・ハーネンフース・・・?」

「あなた!そんな薄着で!」

シホが駆け寄ってきたが、それをヒルデは突き飛ばした。

「あっ・・。」

ヒルデの肩が真っ赤に染まっていた。

しかしそのままヒルデは敵に向かって走り出す。

「ヒルデ!!」

その姿は美しかった。
まるで舞っているかのように優雅だった。
3人ほどいた敵を華麗に倒す。

「銃は?」

「あ、ええ、持っているわ。」

ヒルデは敵から銃を調達したらしい。

「そうですか。」

ぞくりとする。
今まで見た彼女はまさに、コネ、という言葉がふさわしいほど世間知らずなお嬢様だった。
体術も銃もモビルスーツも何もできない。
だが、今目の前に立っている彼女はまるでずっと戦場にいたかのような鋭さがある。

「腕の治療は!」

「している暇がありません。」

続々と武装した敵が集まり始める。
シホは絶望した。
こんな人数、勝てるわけがない。
怖い。
死は覚悟していたはずなのに。
圧倒的な武力を前にシホは自分の無力さを痛感した。

「怖いのなら、下がっていてもいいのですよ。」

それは怖気づいているシホを冷やかすものではなく、本当に思っているようだった。
シホは賢い。
自分が負けることを確信して戦うことなどできない。

「で、でも・・。」

ふわりと優しい笑みを浮かべると、シホを抱きしめる。
そして、どこかの部屋に押し込めた。

「ヒルデ!!」


外からロックをかける。

なんて可愛らしい人だろう。
自分に自信があって、誇りを持っている。
何が正しくて、そう出ないのか自分で判断できる。
一見近寄りがたいように見えるが、女性らしい気遣いもある。

初めて見たとき確信した。
ああ、彼は彼女のような女性が好きなのだと。
ただ、まだ発展していないだけ。
時間の問題だろう。

「撃て!!!!」

敵が一斉に撃ち出す。
弾が切れて入れ替えるその瞬間を見逃さず、すかさず打つ。

二人ほどたおれた時、動揺が走った。
その隙に一気に距離を縮める。
懐に入ってしまえば銃を打つことはできない。
仲間に当たるかもしれないからだ。
銃を打つべきかナイフを出すか、その判断をしている隙に次々と倒していく。
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