• テキストサイズ

歩み出せるなら

第3章 産み落とされた願い


「銃声が聞こえたね・・。」

「ああ・・。」

ほとんどディアッカが片付けた。

「この人たちなんなんだろ。」

「次は何人か生け捕りするか。」

「うん、ごめんね。足手まといで。わかってるんだ。でも、どうしても来たくて。」

「わかってるよ、そんなこと。だから俺とペアにしたんだろ。」

意外と世話を焼くのがうまいディアッカ。
チャラチャラしているため、彼を知らない人物からの評価は低いが、ジュール隊の誰もが彼を慕っている。
スパルタなジュール隊がうまく回るのは彼のおかげだ。

「大丈夫かな?」

「大丈夫さ。イザーク、唯一アスランに勝ったの射撃だしな。」



いつまでもうずくまっているわけにはいかない。
しかし、ヒルデを残してはいけない。




『名前は?』

『ないの・・・・。』

『ここに住んでいるが出身ではないだろう?先ほども父親を見つけたが?』

『もらえなかったの。いらない子に名前は必要ないって』

『ならば、私がプレゼントしよう。そうだなブリュンヒルデ。はどうだ?』

『ぶりゅんひるで?』

『そうだ、北欧の伝説の乙女だ。閉じ込められていたところを英雄が助けにくるんだ。』

『それがあなた?』

『かもしれないな。』

その時、初めて人に抱きしめられた。


「ヒルデ、お前は戻れ・・・。と言いたいところだが、思った以上にことは深刻だ。このままここに残っていろ。」

一人で返して、敵に殺されてしまうのも後味が悪い。

返事はなく、うずくまっている。
これだから嫌なのだ。
めんどくさい。
いや、初めてだから仕方ないかもしれない。
だが、本来はザフトにいなくて良い人間だったのだ。

「イザーク!!」
「大丈夫!?」

そこにキラとディアッカが合流してきた。

「どうしたの?怪我・・」

キラが言い終わらないうちにヒルデが銃を向ける。
銃声が響き渡る。
間一髪のところでイザーうが覆い被さりそれを止める。

「いい加減にしろ!!!自分がコントロールできないなら戻れ!!!!俺たちも命がかかってるんだ!」

「そんなに怒らないで・・?」

今殺されかかったというのに、なぜそんなに落ち着いていられるのか。
俺以外変な奴しかいないのか。
/ 37ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp