第3章 産み落とされた願い
「銃声が聞こえたね・・。」
「ああ・・。」
ほとんどディアッカが片付けた。
「この人たちなんなんだろ。」
「次は何人か生け捕りするか。」
「うん、ごめんね。足手まといで。わかってるんだ。でも、どうしても来たくて。」
「わかってるよ、そんなこと。だから俺とペアにしたんだろ。」
意外と世話を焼くのがうまいディアッカ。
チャラチャラしているため、彼を知らない人物からの評価は低いが、ジュール隊の誰もが彼を慕っている。
スパルタなジュール隊がうまく回るのは彼のおかげだ。
「大丈夫かな?」
「大丈夫さ。イザーク、唯一アスランに勝ったの射撃だしな。」
いつまでもうずくまっているわけにはいかない。
しかし、ヒルデを残してはいけない。
『名前は?』
『ないの・・・・。』
『ここに住んでいるが出身ではないだろう?先ほども父親を見つけたが?』
『もらえなかったの。いらない子に名前は必要ないって』
『ならば、私がプレゼントしよう。そうだなブリュンヒルデ。はどうだ?』
『ぶりゅんひるで?』
『そうだ、北欧の伝説の乙女だ。閉じ込められていたところを英雄が助けにくるんだ。』
『それがあなた?』
『かもしれないな。』
その時、初めて人に抱きしめられた。
「ヒルデ、お前は戻れ・・・。と言いたいところだが、思った以上にことは深刻だ。このままここに残っていろ。」
一人で返して、敵に殺されてしまうのも後味が悪い。
返事はなく、うずくまっている。
これだから嫌なのだ。
めんどくさい。
いや、初めてだから仕方ないかもしれない。
だが、本来はザフトにいなくて良い人間だったのだ。
「イザーク!!」
「大丈夫!?」
そこにキラとディアッカが合流してきた。
「どうしたの?怪我・・」
キラが言い終わらないうちにヒルデが銃を向ける。
銃声が響き渡る。
間一髪のところでイザーうが覆い被さりそれを止める。
「いい加減にしろ!!!自分がコントロールできないなら戻れ!!!!俺たちも命がかかってるんだ!」
「そんなに怒らないで・・?」
今殺されかかったというのに、なぜそんなに落ち着いていられるのか。
俺以外変な奴しかいないのか。