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歩み出せるなら

第3章 産み落とされた願い


「銃は扱えるのか?」

「はい、一通り訓練しました。」

イザークのグフイグナイテッドに乗り、目的地まで向かう。
心なしか彼女の息遣いが荒いような気がしている。
しかし緊張しているのだとさほど気にすることをしなかった。

「放棄されたコロニーだ。おそらく戦闘になることはないだろう。」

「・・・・・。」

「ついたぞ」

そして、コクピットから降り、コロニーに降り立った。

「これは・・・?」

コロニー内は思ったより綺麗だった。
放置されたという割にはものが少ない。

「最近持ち出されたみたいですね。」

ヒルデの視線をたどる。
ものが動かされた跡があり、ほこりを被っている部分とそうでない部分があった。

人がいるのか。
一気に警戒心を刎ねあげる。

どん!とヒルデに押されるのと銃声はほぼ同時だった。

「なっ!」

天井の方で反射した光が見えた。

「ヒルデ!!!」

なんと彼女は走り出していたのだ。

「待て!!追うな!!!!」

イザークの制止を振り切り奥へと消えていった。




許さない。
この研究所が始まりだ。
ラウがこの世界を恨んだのも。
キラ・ヤマトが生まれたのも。

赤服の実力がないなんてのは真っ赤な嘘だ。
モビルスーツも銃も、ナイフ戦も誰にも負ける気がしない。
ラウから学んだのだから・・・。

なんとなく気配がした方をめがけて撃つ。
それは頭に直撃した。
一人。
あと何人いるのだろうか

「キラ!!」

「大丈夫!!」

どうやらあの二人も戦闘に入ったらしい。

苦しい・・・。

そこで見覚えのあるドアを見つけた。
吸い込まれるように体がドアに引き寄せられる。

ズキン

『どうだ?うまくいったのか?』

ズキン

『わかりません。しかし、成功したといってもものすごい負荷がかかり、長くは生きられないでしょう』

ズキン、ズキン 

『かわいそうに、私と一緒においで?私はラウ・ル・クルーゼだ。』

機械音とともに扉が開く。
まだ、私の生命認証は反応するみたいだ。

この奥に、実験室がある。
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