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歩み出せるなら

第2章 ジュール隊へ


「おい、あのヒルデって子知ってるか?なんでもコネで入隊して赤服になったらしいぜ?」

「まじ?コネ?それとも・・?」

「本当かよ?」

「だって、挨拶の時に何期生かいうだろ?調べたんだけど、その年の卒業の赤服は違うやつだっていうぜ?」

「11人目ってこと?」


食堂を通りかかったイザークはすでに噂が広まっていることに驚いた。
いや、仕方のないことかも知れない。
ザフトはまだまだ小さな組織だ。

「隊長のお世話がかりって噂もあるぜ?」

「いいなー、可愛かったじゃん。」

思わず、怒鳴りつけそうになる。
が、無視して隊長室に向かう。
少しだけ彼女に興味を持ったのは事実だ。
だが、このような形で接近されて一気にさめた。
突き返したいことだが、この任務が終わるまではともに過ごさなければならない。

「参った・・・。」

赤服は優秀な成績を収めたため、隊長、副官の候補生として任務にあたる。
つまり、一般兵よりも隊長と一緒に行動することが多いのだ。




何やら笑い声が聞こえる。
今はナイフ戦の訓練のはずだが?

「キラ弱すぎだぜ〜」

「うん、モビルスーツを操縦することしかできないんだ。さすがディアッカは強いね。」

中心にいるのはディアッカとキラだ。

あの二人のせいで場が和んで誰も訓練などしていない。
あの真面目なシホはどうしていいのかとオロオロしている。

ヒルデは?

つい気になって探してしまう。

彼女は少し離れたところで宇宙を眺めていた。

「げ!隊長!!」

ゲラゲラ笑っていたシンがイザークを見て大声を上げる。
それを聞いた瞬間まるで波が引くように笑い声が引いた。

「何をしてたんだ?」

いつものように怒鳴られると思ったクルー。
しかし、静かに問い詰められる方が恐怖だと誰もが思った。

「もう一度聞く、何をしていたんだ?」

誰もが横目でディアッカを探す。
ここで対抗できるのはディアッカだけだ。

「ごめん、イザーク、さん?僕、全然できないからみんな教えてくれたんだ。ごめんね?怒らないで?」

「何歳だお前は???!!子供の喧嘩じゃないんだぞ?」

誰もが恐怖に引きつった。
キラ・ヤマトしくじったな、と。
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