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【松野千冬】場地さんの双子の姉とお付き合いしています

第2章 場地さんの双子の姉と初めて出会いました


「好きな人にキスされてドキドキしないわけないじゃん」
「──は」
「千冬と同じくらい、私も余裕ないんだからね」

 ──俺だけじゃなかったんだ、こんなにドキドキしてたのは。

「子どもっぽいとか大人っぽいとか関係ない。私は千冬だから好きになったんだよ」
「咲桜……」
「自信持って。場地咲桜が一番好きな人は松野千冬だよ」
「……はいっ!」

 たった一言でさっきまでの不安がどこかへ行ってしまうくらいには、俺って単純なんだな。咲桜に一番好きだと言われてふわふわと夢心地な気分。

「俺も。俺も咲桜が一番好き」

 もう一度だけキスをする、さっきよりも長い長いキスを。この世界から二人切り離されたような感覚に酔いしれていると玄関の方から「ただいまー」と場地さんの声が聞こえてきた。

「千冬ぅ、アンタの義理の弟はずいぶん空気が読めないみたいね」

 やれやれと言ったように呟いた咲桜に目を見開く。やっぱりあん時の会話聞かれていたんだ……そう思うと恥ずかしい気持ちでいっぱいだが、それよりも遠回しにプロポーズされたことに頭がいってそれどころではない。「圭介おかえりー」と玄関に歩いていった咲桜の後ろ姿を見ながら、遠い未来の俺たちに思いを馳せた。



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