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ジェラシーのその後で

第1章 カゾク×ト×ワタシ


「それって…心配してくれてるの?」
「いや、ネルル、1人で外に出ると危なかっかしいから。何かやらかしそうだしね。」
「なにそれ、いつもお兄ちゃんの後ろで大人しくしてるのに…。」

「わかったわかった。で、今日はここで寝るんだっけ。俺ももう寝るから。」
「うん…!」
イルミは上で抱きついていた妹をおろし、先にベッドへ潜り込んだ。
後を追って自分もベッドに潜り、背中に抱きついた。

「お兄ちゃん、さみしかった。もっとお話したい…」
甘えたように擦り寄る。
「……ん、簡単だったよ。あの感じならネルルも1人でこなせると思う。」
「ほんと!?じゃあ今度、同じようなしごとがあったら…」
「まだ1人で行かせられない。わかるだろ?ネルルはまだまだ危なっかしいんだよ。仕事がしたいなら父さんか、俺の仕事についてきたらいい。」

イルミは少し冷たく言い聞かせる。
ネルルは仕事以外で外に出ることはほとんどないためか、道を覚えるのがとくに苦手だった。兄弟の中で1番と言ってもいいだろう。
一度道を間違えると最後、不安でたまらなくなり、お兄ちゃんお兄ちゃん!と人目も憚らず泣き叫んでいるのだ。そうなるとまず、依頼どころではない。
それでも有名な暗殺一家、ゾルディック家の長女か
と、誰もが言いたくなるだろう。

「そんなぁ。私だって仕事できるよ?この間もお兄ちゃんの依頼の手伝いこなせたでしょ?」
「それでもまだ1人はだめだ。それに、もしヒソカに捕まっちゃったらどうするの?誘拐されちゃうかもよ?あいつ、そーゆー奴だし。」
「うっ…そ、それはほんとに嫌だ…」
シュン…とイルミの体に回していた腕の力が抜ける。

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