第3章 奇術師✖️ト✖️殺し屋
これまたテレビや小説でしか見たことがない水族館に連れて行ってあげると言われなんて…。
嬉しくなり目をキラキラさせ、きゃいきゃいとヒソカの膝にのりあげそうなくらい喜んだ。
「くす…そんなに喜んでもらえるとは❤︎
選んだ甲斐があるなぁ♦︎」
パラパラとトランプをいじる
「ねぇ、ヒソカっ。ヒソカもトランプで遊ぶのやめてよ〜。デート……なんでしょ?」
と、首をかしげて目とトランプを交互に見つめられた。
(無意識なんだろうけど…君ってあざといんだねぇ❤︎)
「そうだね❤︎今日はトランプはしまっておこう♣︎」
「うんっ!」
ヒソカがポケットにしまうと、ネルルはニコッとあかるい笑顔になる。
その笑顔の裏で
(水族館…楽しみだけど、お兄ちゃんのこともちゃんときかなくちゃっ!)
うずうずと、本来の自分の目的を忘れたわけではい。
(大丈夫だよう❤︎そんな心配しなくてもちゃんとおしえてアゲルから…♣︎)
しっかり見透かされているネルルであった。
バスから降りると、もうそこはたくさんの人で賑わっていた。
「わぁ〜、久々にここで降りたかも…」
街を見渡しながらヒソカの横をついて行く。
「くす…っ 水族館はあそこにあるよ❤︎」
ヒソカがガラス張りの大きな建物を指差した。
「わぁ…!あんなのができたんだ…!!綺麗っ!」
「中はもっと綺麗だとおもうよ♦︎」
「ほんとっ?たのしみ!ヒソカは来たことあるの?」
「ボクも初めてなんだ❤︎ ネルルちゃんとこれて嬉しいよ♣︎」
「そうなんだ!じゃあ退屈しないですむね!」
「来たことがある場所だとしても、君とならどこでも楽しんでいられるけどなぁ❤︎」
「ヒソカ、誰と来てもそんなこと言ってそう。」
真顔で言うと、そんなことないよと返された。
水族館の入場チケットを買うと中へ入った。
近くへ来てみると、遠くから見た時よりずっと広々としていた。水族館ができてすこし時期が過ぎたのか、思ったほど混雑していないようだ。
海なんてこの近くにないのにどうやってお魚運んだろうかと呑気に思っていると
「…っ!?ヒソカ…?」
ドキっと心臓が跳ねた。ヒソカに右手をぎゅっと握られていた。
「デートだしね❤︎このくらいいいよね❤︎」