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ジェラシーのその後で

第1章 カゾク×ト×ワタシ


それから10年が経った。
「パパ、お兄ちゃんまだかえってこないの?もう3日もいないけど、死んじゃったとかないよね?」
夕飯の席につきながら父に問う。
「兄貴が死ぬわけねーだろ、バカ」父が答えるより先に、口達者になったキルアが口を出す。
「キルアは黙ってて。」
「はいはい」
父は携帯を取り出し画面を見る。
「そろそろ家に着くと思うが、報告の後はすぐ休むと言っている」
「ほんとに!?今日帰ってくるんだ!」

父からの朗報を聞いた後、毒入りの夕飯をすぐに食べ終え部屋にもどり、お風呂を済ませてドライヤーをする。

「お兄ちゃんが帰ってくる前に部屋で待っとこ…」自室からでて
兄の部屋に入ると、ソファの上で本を読む兄の姿。
「いつも黙ってはいってくるね。わかってたけど」
「お兄ちゃん!!」パタパタと駆け寄り抱きつく。
「おかえりなさい!!帰ってきてたの?」と、黒い感情のない二つの瞳をニコニコと見つめる。
「うん、ついさっきね。」
「ふふ!お疲れ様でした!で、どうだった…?」
「すぐに終わったよ。移動時間がかなりあっただけ。依頼された物は30分
で終わったし。」
「さすがお兄ちゃん!」
兄にくっつきながら話す幸せなひとときだ。
「ね、今日このまま、ここで寝てもいい…??」
すこし不安げに問う。
「うん。好きにすれば。すぐ寝ると思うけど」
「嬉しい…」

いつの頃からか、私は兄の部屋で眠るようになっていた。
怖い夢を見た日からなのか、両親に叱られた日からなのか、はっきりと思い出せないが、兄の腕を抱きながら眠るようになった。
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