第2章 ワタシ×ト×奇術師
「そ❤︎ 君もデートに興味があるんだし、僕はもっと君のことが知りたいし…♠︎デートが終われば君はお兄さんの事をもっと知れるし…♦︎
いい考えだと思うんだけどなぁ❤︎」
ニコニコと窓の外を見ながら、簡単に言うがそもそもデートは両想いの人がするものだと思っていた。
「私別に、ヒソカのこと好きじゃないしよく分かんないし…っヒソカだって私の事好きじゃないでしょ?だからできない!」
「デートはね、付き合ってなくてもできるものなんだよ❤︎?知らないの?ネルルちゃん❤︎」
「!? し、知ってるし!!馬鹿にしないで…っ!」
それは知らなかった…デートって両思いじゃなくてもできるんだ…というかしてもよかったのか。
しかし兄の事は知りたい。ヒソカ相手でないと、なかなかこんな機会はないだろう。
「なら、ボクとデートしてほしいな❤︎」
「…わかった。そのかわり……お兄ちゃんのことたくさん教えて欲しい。」
ギュッと手を握りしめる。
「くす…。オーケー♦︎約束するよ❤︎ そうだなぁ、ホントは今から1日中#NAME1ちゃんといたいんだけど、そうもいかないみたいだ…♣︎」
「??」
ヒソカがラウンジの入り口のほうを見ると
「なにやってんの?」
すこぶる機嫌の悪い顔をした兄が立っていた。
「お兄ちゃん!!」
「おやおや♠︎やっぱり怒らせちゃった❤︎?」
「ヒソカお前、なんでここにいるの?」
気づくとネルルの真後ろまできていた。
「たまたま君たち2人をみつけてねぇ…♣︎ ネルルちゃんに会いたいって依頼、時間がかかりそうだったから直接きたんだ❤︎」
ガシャンッッッッ!!!!!バリンッッ!!!
「きゃー!!!」
「!?」
ガラスの割れる音が響いた。離れた席のグラスとピッチャーが床に落ち、破片が散らばっている。座っていた女性は慌てふためいていた。
「殺気…❤︎漏れてるよ?♣︎」
「ヒソカ…次はないと思って。
やっぱり、連れてくるんじゃなかった。ネルル、お前は部屋で待ってて。俺が戻るまで絶対に部屋から出るな。」
「お、お兄ちゃんでも…
言いかけると
「ネルル」と被さって圧をかけられた。
チラリとヒソカを見ると、ニコっと手を振っていた。
「わかった…」
ネルルは早足にラウンジを出た