第2章 ワタシ×ト×奇術師
「すごい!すごいです!なんでわかったんですかっ?カード見せてないのに!」
その様子は、無邪気な、まさかエリート暗殺一家の長女だとは思えないほどの、普通の女の子だった。
「くすくす…簡単だよ❤︎まぁ、タネはあるけどね、教えたら楽しくないから内緒にしておく…♦︎」
「えーっ…!でも…魔法みたいでした…!すごい…。」
「ちょっとはボクのこと信用してもらえたかな♠︎」
「はい…!なんかこう、楽しいこと何にも知らない、もっと怖い人かと思ってたから…」
「おや♣︎ずいぶん嫌われていたんだねボク❤︎
それで…君に興味があって、色々教えてくれるかい?♦︎」
「はい!」
「じゃあ遠慮なく❤︎ 君も普段からイルミと同じように仕事をしているのかい?♣︎」
「私はあんまり外に出してもらえなくて…。仕事はほとんどパパかお兄ちゃんについていってる感じ…。」
「そうなんだ♠︎それはどうして?」
「弟の方が殺しのセンスがあるから…だと思う。一人で仕事に行くことも多いし。」
手品を披露され、ヒソカへの警戒心が当初より無くなったことで、自然と普段通りの口調に戻ってくる。
「へぇ❤︎てっきり、女の子だからだとおもった❤︎見たところ、あんまり強くなさそうだし…君♦︎」
今の弥生にとってその言葉は、鋭く尖った氷のつららだ。キンっと耳を刺した。
「やっぱり…??」また、シュンと手元を眺める。
「うん❤︎」ニヤニヤとその様子を楽しむヒソカ。
「パパと弟と同じ銀髪なのに、わたしだけ家族の中で1番仕事ができないの…。
私の事知らなかったのも、お兄ちゃんが話したくなかったからだと思う。お兄ちゃんは強いから、こんな妹がいるって恥ずかしいんじゃないかな。」
「ふぅん❤︎大事な妹の存在をないことにするなんて、ひどいお兄さんなんだねぇ…♣︎」
「!」
「どうかした?❤︎」
「別にひどくない…。お兄ちゃんかっこいいし優しいし、たまには褒めてくれるし、かっこいいし素敵だし…私がいけないの…!」