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ジェラシーのその後で

第2章 ワタシ×ト×奇術師



「君とどうしても2人でお喋りしてみたかったから、遅れるフリをして君に会いにきたワケ…❤︎」

ゾワゾワっと、初めて腰に手をあてがわれた時と同じように全身に鳥肌が立った。

「お、お兄ちゃんが待ってるから行った方がいいんじゃ…ないでしょうか…っ」


「大丈夫だよ〜♦︎彼、ああみえて結構優しいから待ってくれると思う❤︎」
にやにやと奇妙な笑みを浮かべている。

「それにしても、そんなにビクビクして小さくなっちゃって…君、ホントにイルミの妹なのかい…♣︎?」
ヒソカから距離をあけるネルルを見れば、ひどく警戒はされてはいるものの、自分に攻撃するような禍々しいオーラは放たれてはいなかった。
あの、神経質なイルミの妹だというのに、だ。

「そうですけど…っ。なんで私と話したいんですかっ…」
泣き出しそうな声で、少し潤んだ目で自分を見上げてきた。



「彼とはお友達で、弟のキルアくんの話はなんとなく聞いたことがあるんだけど、君の存在のことは一度も聞いたことがなくてね…♣︎
あまり知られたくなかったのかなぁ…♦︎だから、この間君を連れてきたときは驚いた❤︎」

ヒソカ目を細めながら、自分を見上げてくる、警戒心丸出しのネルルにいうと

「え、そうなんですか…っ?」
丸くしていた背を急ピンっと伸ばし、目を丸くした。

(やっぱり❤︎そうだったか…❤︎)

「そうだよ♠︎ ボクのこともしらなかったでしょ?❤︎」

「は、はい…。キルアのことは知ってたんですか…?」

「うん、ちょっとだけ、ね♦︎イルミ、君のこと全然教えてくれないから、直接会ってみようっておもって❤︎」

そう答えてあげれば

「そうですか……」
と、少しシュンとして何もないテーブルを見つめている。


ここでもそうだ。自分より優れた弟の名前だけが、自分の知らないところで広がっている。
しかもこのヒソカからキルアの名前がでてくるなんて…。
私が弱いから…お兄ちゃんも知られたくなかったのかな…。弱い妹がいるだなんてしられたくなかったんだ…。

(……って顔してるねぇ♠︎)

隣にいる奇妙なピエロの格好をした男に、全てを悟られてしまうほど、ネルルは警戒心を弱めてしまった。
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