第1章 カゾク×ト×ワタシ
「んん……」
暑さで目を覚ました。
時刻ははっきりとわからないが、おそらく深夜だろう。
懐かしい記憶を、まどろみの中で思い浮かべながら深い眠りについたようだ。
(喉渇いた…)
確かイルミの部屋にミネラルウォーターの買い置きが数箱あったはずだ。
目を擦りながらベッドからでる。
(…勝手に飲むといつも怒られるかな…ごめんなさぁい。)
蓋を開け口をつけると、生暖かい水が喉を潤す。
半分中身が残ったボトルをミニテーブルに置き
再び兄の隣へ潜り込む。
(懐かしいなぁ。あのあとも色々あったんだよね………)
思い返そうとするが眠気が襲ってくる
「お兄ちゃん大好き…。」
そう、小さく呟き再び眠りに落ちた。
「ネルル朝だよ。もう起きなよ」
「ん……まだ…あとちょっとだけ…」
「そんなに寝たいの? 俺は用事ができたから出かけてくるよ。欲しいものある?買ってくるけど」
「用事…?1人で?」
「ううん、ヒソカに呼ばれてね。」
「ヒソカ…?!」
一気に目が覚めた。あのヒソカと…というか昨日会ったばかりじゃないのか。