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爆豪くんに寝取られた【R18】

第1章 爆豪くんがちょっと苦手。



「んだよ」

「いや……特に何も」


爆豪くんは、辛いと思う?
なんて話題を振ることが出来ずに、ふい。と顔を逸らせば、爆豪くんは小さく舌打ちをする。

私はそれに気付かなかったフリをしてヤオモモの方を見て笑い、「とりあえず食べてみようよ」と言ってみる。

ヤオモモは少し迷ったあと、「モノは試しですよね」と呟いて、私のスプーンを受け取った。

しかしやっぱり辛かったのか、ヤオモモは持ってきていた水を一気に飲み干し、目をうるませて驚いていた。


「……ごめん、ヤオモモ」

「い、いえ。大丈夫ですわ……食べると決めたのは私ですから」


そんなに辛いかなぁ。と思いながら一口。

やっぱり私にとってはそれほど辛いものでもないし、また盗み見た爆豪くんも、何食わぬ顔で食事していた。



____


ヤオモモと一緒に購買に向かい、お詫びにちょっとしたお菓子を購入して、それから教室に戻る。

授業開始まで、残り約10分。

教室には殆どが揃っているけれど、まだ席に着いている人は少なく、ワイワイと賑やかな雰囲気だった。


「あ! お菓子買ってきたん?」

「うん。良かったらお茶子ちゃんと梅雨ちゃんもどうぞ」

「ありがとう!」

「嬉しいわ、ケロケロっ」


出入口付近にいたお茶子ちゃんと梅雨ちゃんにお菓子を分けて、雑談をしながら教室を見渡す。

轟くんは、まだ教室に帰ってきていない。

楽しいお喋りの時間でも、それだけで不安になるけれど、轟くんに迷惑はかけたくなかった。


「皆! 予鈴が鳴ったぞ! 席に着いて授業に備えよう!」


少しして予鈴が鳴り、飯田くんの声掛けにより皆が席に着く。

賑やかな教室が段々静かになって、座席の前後左右だけで各々が話し始めた。


「観月さん、ちょっといいかな」

「どうしたの?」


後ろの席の緑谷くんに声をかけられ、振り返って話をする。

五時間目の復習で、よく分からない問題があるという緑谷くんと、前回のプリントを振り返っていると、後方のドアが開いて轟くんが帰ってきた。

それと同時に、授業開始のチャイムが鳴った。
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