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爆豪くんに寝取られた【R18】

第1章 爆豪くんがちょっと苦手。



大抵の日は、早く終わらないかと思う四時間目。今日はその時間が、終わって欲しくなかった。

だって彼氏の轟くんが、別の誰かとお昼を過ごすから。


その「誰か」が「誰か」なんて、私には分からない。

緑谷くんや飯田くんらと一緒だったり、先生に呼び出されたりしているなら、きっとそう言ってくれるんじゃないかと思う。

だから今日は、私の知らない誰かと一緒なんじゃないか。……って、悪い方向に考えちゃうのだ。

そしてそれが、女の子だったら。
その上、二人きりだったら?


考えれば考えるほどやもやしちゃって、授業の内容なんてこれっぽちも頭に入らない。


夕飯の前に、先約が何だったのか聞いてみようか。でも、今更聞いて嫌がられたらどうしよう。

ただでさえ面倒な女だと思われてそうなのに、そんな____


「……おい」

「…………」

「おいっつっとんだろクソが! 舐めてんのかテメェは!!!」

「ひやぁっ!」


ボム! と爆発音が鳴って、私はびくりと身体を震わせる。

目の前の座席の爆豪くんが、どうしたことか爆破をしたのだ。


「授業中にキレるな爆豪!」

「ちっ」

「観月も授業中だ。ぼーっとするな!」

「す、すみません!」


事態が良く分からないまま、とりあえず相澤先生に返事をする。

それからようやく爆豪くんの方を見ると、爆豪くんはプリントを握りしめ、真っ赤な三白眼をこちらに向けていた。


そう。爆豪くんは、私にプリントを回そうとしていたのだ。

けれど私が気付かないから、叫ぶと同時に軽く爆破をしたのだろう。


「……ごめんね、爆豪くん」


つまり私がぼーっとしていなければ、爆豪くんが怒ることもなかったし、爆豪くんは相澤先生に怒られることもなかったのだが。


プリントを受け取った後で、内心悪態づく。

別に、爆破までしなくてもいいじゃない。
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