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爆豪くんに寝取られた【R18】

第1章 爆豪くんがちょっと苦手。



三時間目の終了を告げるチャイムが鳴って、セメントス先生が「今日はここまで」と口にする。

そして先生が教室を出ていくよりも先に、私は窓際、前から三番目の席を立って、教室の後方に向かった。


向かう先は、まだ板書を移しているらしい、紅白頭の彼の元。

その邪魔にならないように、そっと砂藤くんの席の方によりながら、私は声をかけた。


「と、轟くん! 今、少しいいかな。すぐに終わるから、耳だけ貸してほしいの」

「あぁ。どうしたんだ?」


私の言葉に、轟くんは一切の遠慮をみせず、板書を取りながら返事をする。

ちょっとくらい、顔をあげてくれてもいいのに。とも思ったけれど、雄英の休み時間は、そんなに長くない。

轟くんが素っ気ないんじゃなくて、仕方がない状況だと思わなきゃ。


「あ、あのね、良かったら今日、お昼一緒に……」

「…………わりぃ、今日は先約があるんだ」

「……そっか。じゃあ夕飯は?」

「……わりぃ。今日はトレーニングして帰るから、遅くなる」

「じゃ、じゃあ、そのトレーニング、私も参加しちゃダメかな」

「それは、ちょっと」

「……それなら、」


轟くんが帰ってくるまで待ってるから。

ダメ押しにそう言ってみたら、轟くんは俯きがちのまま、眉根を寄せながらも、「それなら」と了承してくれた。


迷惑だ。って思われているのかな。
ううん、それでも私は轟くんの彼女なんだもの。

寮で食べる夕飯くらい、「一緒に食べたい」と提案をしても、許される関係のはずだ。


それでも、どうしようもなく不安になる。

轟くんがお昼にいれた先約の相手が分からない。
そもそも私は彼女なのに、わざわざ毎日約束を取り付けなきゃいけないんだろう。


「……どうかしたのか?」

「う、ううん。何でもないよ。……夕飯、楽しみにしてるね」


それだけ言って、私は席に戻る。

それから、出来るだけ小さくため息をついた。



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