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爆豪くんに寝取られた【R18】

第2章 爆豪くんは距離が近い。



「……う、ごめん」

「っち、いちいち謝ってきてウゼェんだよ。んで、このテーマはどうかって聞いとんだわ」


これ以上爆豪くんを怒らせまいと、爆豪くんが書いた文字に視線を落とす。


「あぁ……うん、いいと思うよ」

「……他になんかねぇのかよ」


二週間の時間設定の中でやりやすそうないいテーマだと思い、簡単に肯定をすれば、爆豪くんは不満そうにそう呟いた。

自分から提案をしておきながら、どうして不満そうにしているのだろう。

そう思いながら首を傾げると、爆豪くんは「もういいわ」と呟く。


「んじゃこれを軸に進めてくから、内容としてはそうだな……」


連想ゲーム形式に、テーマの横に増えていく吹き出し。

元々爆豪くんの中に発表の構想があったのか、驚くほどにスラスラとノートは埋まっていく。


その指先と、増えていく文字を見ながら、あぁ、綺麗だな。とぼんやり思った。


「……おい」

「な、なに」

「見てるばっかじゃなくてなんか言えっつっとんだろが」

「あ、ごめん。綺麗だなーって思って」

「…………あ?」

「あ」


相変わらず顰めっ面だった爆豪くんが、ポカンと口を開ける。

あまり見られないその顔つきに、私のせいで迷惑がかかっているという事を忘れ、思わず吹き出してしまう。


「……テメェ、ふざけんのも大概にしろや」

「ご、ごめん。ふざけてはないんだけど」


開いた口を閉じ、またしても顰めっ面になった爆豪くんにそう弁明する。

すると爆豪くんは、少しだけ目を見開いて、口元を手で覆った。


少なくとも、また怒らせることは無かったようで良かったかもしれない。

そう思った直後、これ以上怒られないようにとすぐに思考を切り替えた。


「あ、ここ、こういうのはどうかな……」


すっかりお役御免になっていたシャーペンを取り出し、爆豪くんが書いた文字の横に、思いついた単語を書き入れる。


「……わるかねぇ」

「よかった」


爆豪くんが、ボソリと呟く。

ようやく、まともなコミュニケーションが取れた気がする。
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