第2章 爆豪くんは距離が近い。
「…………」
「……おい、なんか言えや」
「…………」
「……聞いとんのかクソが!!!!!」
「は、はい! ごめんなさい!!!」
ボム! と爆発音がして顔を上げる。
近くにいた瀬呂くんが、「爆豪、観月ビビってんぞ」と口を挟んできたことで、爆豪くんがよりブチギレた。
「黙ってろ醤油! どう考えてもコイツが悪りぃだろ!」
「いや、だからって爆破までしなくていいじゃん」
「知るかクソが」
「ご、ごめん爆豪くん。瀬呂くんもありがとう」
私の謝罪に、瀬呂くんは笑って受け流し、爆豪くんは舌打ちをした。
くじ引きから時間は経ち、一時間目・英語の授業。
これから二週間近く、くじ引きのペアないしトリオで、授業を進めていくつもりらしい。
そして再来週には、そのペアでの発表を行うとの事だったが、発表に関するテーマは自由。
とにかく協力して、いいものを作り上げろというわけだ。
今はその発表のテーマ決めと、スケジュール調整の時間だった。
私たちは授業の傍ら、インターンに行くこともある。
だからテーマもスケジュール調整も非常に大切になってくるし、上手くコミュニケーションをとっていかなきゃいけない。
他の班は概ね、順調に進めているように見える。
けれど私は、やっぱり爆豪くんが苦手で。
誰か変わってくれないかな。そう無理な願いをしながら思わずため息をついてしまえば、「ため息つきたいのはこっちだわ」と爆豪くんは言った。