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爆豪くんに寝取られた【R18】

第1章 爆豪くんがちょっと苦手。



「……うめぇか」

「…………んぐ、美味しい、けど」

「あ?」

「や、やっぱ何でもない! これありがと! 改めてお詫びするから!!!」


轟くんの蕎麦を盛り付けるためだ。と心に言い聞かせ、爆豪くんから距離を取る。


何でこんなことしておきながら、爆豪くんは平然とした顔しているんだ。

仮定その一。爆豪くんは女慣れしているから。
その二。爆豪くんに女として見られてないから。

どうしよう、そんなこと考えている場合じゃないのに。


我に返った頃には、轟くんのために一生懸命練習して用意したはずの蕎麦が、ぐったりと伸びてきていた。

どうしようか迷った後、とりあえず伸びた麺の水を切り、めんつゆを取り出して味見をする。


「……やっぱ水っぽいな」

これは私が食べることにして、轟くんの分はもう一度茹でよう。

先に用意していた分は、明日の朝にでも食べたらいいんだから。


____


幸か不幸か、麺を茹でなおすことで生じたタイムロスで、爆豪くんとの夕飯は別々になった。

つまりは轟くんと二人。
やっぱり、幸せの比率の方が大きいかもしれない。


途中から二人で準備した蕎麦をテーブルに運び、席に着いて、蕎麦をすする。


「……美味い」

「本当?」

「あぁ」

「……良かった」


轟くんの頬が緩んで、釣られるように私も笑う。


伸びきって水っぽくなった私の方はそんなに美味しくないけど、轟くんが満足してくれたなら、それでよかったかも。

そう思い、蕎麦をすする手を止めて、爆豪くんがくれた料理を口に運んだ。
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