第1章 君を手に入れるまで、あと少し ((千冬
を家まで送り、場地さんの家へと足を向けた。
「あら、千冬くん。まだ圭介帰ってないのよ。良かったら上がって待っててね。」
「ありがとうございます。」
家にいた場地さんのお母さんに快く入れてもらい、場地さんの部屋で待っていた。
そんなに大した時間待つことなく場地さんは帰ってきて、何事もなかったかのようにペヤングを作り始めた。
「一個しかないから半分コな!」
と八重歯を見せた笑顔を見せてくるが、その笑顔よりもの涙の方が忘れることはできない。
「場地さん、泣いてました。」
「あ?」
俺の一言に、一瞬で空気は凍り付く。
「は、場地さんの彼女だから。だから…、女の子と一緒に居るところ見るの辛いんじゃないんスか」
「んなこと言ったって、仕方ねえだろ。俺だってを傷つけたいわけじゃねぇよ。」
「すんません、場地さん。これだけは言わせてください。」
「…」
「いつまでも幼馴染に甘えてると、取り返しつかねぇ事になるからな…。…失礼します。」
近くにいるからわかる。場地さんはなら俺から離れない。は俺しかダメだ。そう高を括って甘えてる。
なら、俺はっ…