第4章 元町観光
お社の鬼の話
お社の鬼は水子でした。流れ出た水子が鬼にされました。
あのお社は水子の母が安産祈願のため通った場所です。
水子の鬼はお社の中から母の祈りをしばらく見ていました。
ですがある日突然、母はこなくなりました。
何日も待ちましたが来ませんでした。
一年は何も食べずに母を待ちましたが来ないので、夜に里に降りてみると、母は赤子を抱いて幸せそうにしていました。自分ではない赤子を抱いていることに腹を立て、水子は赤子もその父も、母も食ってしまいました。
それからというもの、子供だけを狙って食うようになり、いつしか里に子供がいなくなりました。
これでは空腹になってしまうと思い、水子の鬼はお社に奉納された鏡と一体になりました。
このお社は離れた所に対のお社があります。そこにも鏡があるので、行き来できるようになりました。
離れた場所の村の子も食えるようになりました。
たくさん食ったので強くなり血鬼術も扱えるようになりました。
炎柱の担った複数の任務のうち、二つがこの鬼の仕業でしたので、討伐すると自ずともう一箇所も解決しました。