第3章 呪いの藁人形
逃がさん!俺は再び刀を振り下ろし、鏡を真っ二つに切り裂いた。
「ギャァァァアアア!!!」
外に出た鬼は奇声を上げてやがて燃え尽きるように消えた。
子供たちはどうなった!?
外に出ると、あの人外な子供たちは消えていた。
変わりに藁の人形が残っていて、それぞれ違った着物をきていた。
人形の数だけ亡くなったのだろうか。
すると、月城が何かを見つけたようにお社の裏へ駆けて行った。
後を追うと、地面に子供が三人倒れている。月城が傍らに屈んで様子を確かめていた。
「みんな気を失っているだけのようです。」
「そうか…!」
救えた命があったのなら良かった。俺は刀を鞘に収めて大きく息を吐いた。さあ、後のことは隠に任せるとしよう。
「俺はまだ任務があるので拠点に戻るが、月城はどうする?」
月城は刀を鞘に収めた。
「私は…」
言いかけたところで彼女の梟がやってきて次の任務の場所を伝えていた。俺の担当区域外の場所なようだ。
「指示もございましたので、次の任務へ向かいます。…あら?お手紙がついてるわねミネルヴァ。」
……今のは梟の名前だろうか。足には紙が結ばれている。
っと、その手紙はもしや。
「俺が今日書いたものではないか?」
月城が手紙の結びを解き、広げるとやはり俺の名前が書いてある。
「そうみたいですね。すみません、この子は少々のんびり屋でして。」
「ハハハ!俺のところに来たときも、柵に止まって眠ってしまったからな。」
「まぁ、それは失礼いたしました…。」
「いや、返事を書くから待つように頼んだのは俺だ。それに届いたのだから問題ない!」
ここは暗いので月城は手紙を羽織の内側にしまい込んだ。
そろそろ別れだな。
「そうだ、手紙には書いていないのだが、任務の合間も鍛錬を怠るな!鍛錬は、日々積み重ねるものだからな!」
「心得ました。」
彼女はこの数日もきっと、鍛錬していたのだろう。今日の動きを見ればわかる。まだまだ呼吸は続かないものの、安定している時間が長くなった。伸び代十分!稽古をつけるのが楽しみだな!