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桜月夜【鬼滅の刃】

第19章 黎明のその先へ【END2】









だけど斬った感触が分からない。









刃が頸に触れようとしたとき、突然何も見えなくなった。







何も聞こえなくなった。










何も…。


















真っ白。









何も見えない。












どうして?





死んだの?



















でも、それならそれでいい。









もうどうだっていい。








































なにも感覚がないのに意識だけは続いていた。




考えることはできた。




これがもし死だったら、家族が迎えに来てくれるのではと期待した。

だけれど誰も私に声をかけてはくれない。


そもそも何も見えないし。








もしかして、さっきの鬼の血鬼術で視覚と聴覚が奪われていたなら…。

私はまだ刀を持ったままなのではないだろうか。


振れる?

力が入らない。


全ての感覚はない。



どうしよう。

























ーーーーーー















月城と離れて一晩。

やはりお金と置き手紙だけでは許してもらえない気がしていた。
あの後、一人になってから考えれば考えるほど己を人でなしと思った。
その場の感情に任せ、理性も捨てて、なんと大人げない!





とても良い時間ではあったが、それは彼女も同じように思わなければ意味がない。



そう思い、筆をとった。

ほんの少しでも話すことができたなら。


謝りたい。会って話したい。少しでいい。そちらに行くので、場所を教えてくれないか。


それだけ書いてすぐに要に持って行かせた。
必ず返事をもらって帰ってくるように頼んだ。




彼女のことだから気を遣って、必要ないと言うだろうがそうはいかない。俺の気がすまない。自分からやっておきながら……。


最悪、要に案内してもらおう。鴉の連絡網を侮るなかれだ。居場所の掴めない隊員はいない。



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