第18章 白日の中で待つ【END1】
「母上…!失礼いたしました!こちらは…」
笑いながら立ち上がるリアネを支え、紹介しようとしたが。
『知っています。』
「なんと…!」
二人の顔を交互に見れば、何やら目を合わせて笑い合っている。
よくわからないが、二人が仲良くしているのは嬉しいことだ。
『杏寿郎…』
「はい!」
昔の癖か、母上に呼ばれるとつい力んでしまう。
『良い子に出会えましたね。』
母上が、認めてくれた。
リアネを見ると、懐かしい笑顔を向けてくれる。
彼女の手をとって見つめた。
リアネは首を傾げながら見つめ返してくれる。
清々しい青空のような双眸に吸い込まれそうだ。
あんまり愛おしくて、母上の前だと分かっていても抱き締めてしまう。
俺たちに先はもうないが
もしもまた生まれ変わることが出来たなら
また君に恋したい。
その時こそ、きっと鬼のいない平和な世であることを祈る。
そして、生涯を共にしよう。
きっと見つけてみせる。
すぐに声をかけるから。
どうか俺が行くまで待っていてくれ。
「ずっと、待っていますよ…。」