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桜月夜【鬼滅の刃】

第15章 暴れ馬


日輪刀でそれを受け止めるが手が痺れるほどの力だった。
それに俺が防いだのはほんの少しで、周りの木々は殆ど切られてしまった。
次の一振りが来るのを確認したとき、月城の姿が見えた。馬の後ろから硝子の刀で斬りつける。
武者が彼女の存在に気がついた。彼女の力ではあの斬撃は防げない。一足飛びで月城に駆け寄り背で隠した。

「この近くに塚があります。そこに鬼の本体が。」

「見つけたのか!」

背中越しに彼女の話を聞いていた。

「ここに来る途中でみました。ですが、それで全部かどうかが分かりません。」

「月城、他の隊士と連携して鬼の頸を切れ。この武者は俺がここに食い止めておく。」

「!…分かりました。すぐに討ち取って参りますのでお待ちを。」

月城はすぐにその場を離れていった。塚は地図上では確かここからほど近い場所にあった。
しかし、全部かどうかわからないと彼女が言うあたり、ばらばらである可能性がある。
大丈夫だ、月城を信じろ。博識な上に勘も鋭い。彼女ならどんな状態の鬼だろうと切れる。
俺は今この武者とここで戦い続けるのが仕事だ。

「ゥウウアアアアア!!」

武者は長い刃の刀を両手で振り回して回転する斬撃を無差別に放った。
避けきれないものは刀で斬りつけ防いだ。
すると今度は武者の周りに銃が現れる。兵隊が使うような大きな銃が何丁も。よく見ると武者の体をから出てきている。それらが武者の体を囲んだかと思えば、円状になったまま俺を囲みだした。銃口はすべてこちらを向いている。
咄嗟にいくつか型を出して防ぎ避けようとするも、左肩に一発は掠めた。掠っただけで左肩が後に引っ張られるような衝撃だった。
そして体勢をほんの一瞬崩しただけで、背中から脇腹にかけてもう一発、右足にも一発食らった。
貫通したが熱く焼けるような痛みが残る。見たところ銃も刀も実物だ。銃なら装填に多少時間を要する。その間に呼吸でできる限り止血を…。
武者はその間も刀を振り、鋭い斬撃を何度も繰り出す。出来るだけ避けて、避けきれないものを刀で防ぐ。また銃がこちらにやってきた。これが厄介だ、まだ止血が終わっていない。

炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり!

「ぐっ!」

今度は耳を掠め、右足関節を貫通した。骨が砕けた、力を入れにくい。

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