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「鬼の花嫁」世界に迷い込む

第8章 賑やかな祭りではご用心を




結莉乃
「迷子にならないよ!大丈夫!」


慎太も迷子になる前提で言葉を掛けられれば結莉乃は少しムキになって答えた


眞秀
「ほら、行くぞ?」


眞秀の一声で皆が歩き出す。そして少しした場所に串に刺さったイカ焼きの屋台で結莉乃の視線が止まる



「食べたいんですか?」


その視線にいち早く気が付いたのは凪だった。結莉乃は斜め後ろから問われたそれに反応して目を輝かせた


結莉乃
「良いんですか?」


「良いですよ」

結莉乃
「ありがとうございます!…一本下さい」

町人
「好きなの取っていきな!」


頭に手拭いを巻いている男性の言葉に、結莉乃は刺さっているイカ焼きを一本取りお礼を述べて離れた


結莉乃
「んっ…美味しい!」


「ふ…良かったですね」

眞秀
「お、射的だ」

結莉乃
「眞秀くん射的やるの?」

眞秀
「んー…やってみっかな」

八一
「俺もやろ」

慎太
「俺も」


結局、結莉乃を除く全員が射的をやる事になった。結莉乃はイカ焼きを食べながらそれを眺める事にした



「はぁ…何故、私まで」

八一
「凪さん自信ないんですか?」


「安っぽい煽りは止めてください」


巻き込まれてしまった凪は溜め息を吐いた。八一からの挑発に、そう答えたものの少しやる気になったのも事実だった。凪は小さな木彫りの小人に狙いを定めると、ぱんっと軽い音をたてて撃つ。すると、小人はころんっと後ろ向きに倒れた


結莉乃
「わ、凄いです凪さん!」


「ありがとうございます」


射的が当たるのを初めて間近で見た結莉乃は喜んだ。射的屋の店主が小人を凪に渡すと、それを凪は結莉乃へと渡した


結莉乃
「貰って良いんですか?」


「ええ。私が持っていても置きませんので…良ければ」

結莉乃
「ありがとうございます!」

眞秀
「お、なら俺も結莉乃にやるよ。…何が良い?」


弾をこめながら眞秀が結莉乃に問い掛ける



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