第7章 馴染みゆく彼女の存在は大きくて
煽られた異形六体は三人の後を追って町から離れて行く
眞秀
「よし、此処なら誰も巻き込まねぇな」
結莉乃
「うん!」
三人同時に抜刀すると、それぞれの方向へと地を蹴って適切な間合いを詰める
眞秀
「ふっ…!」
異形
「ヒギィア!」
慎太
「眞秀!」
眞秀
「おうっ」
異形
「ウギィ…!」
眞秀が一体を貫き、慎太によって飛ばされた異形を眞秀が受け止めるのと同時に慎太が貫く
結莉乃
「はっ…!」
異形
「ギギァ…!」
慎太
「結莉乃しゃがめ!」
結莉乃が自身と対峙していた異形を貫いてから刀を抜いた瞬間に声を掛けられ、反射でしゃがむと貫かれていた異形の向こうから別の異形が来おり、それを慎太が貫く
眞秀
「よし、あと一体」
その間に眞秀が違う異形を倒し終えていた。無駄のない連携で残った異形は一体のみとなっていた
結莉乃
「何かあの異形…他の異形と空気違わない?」
眞秀
「嗚呼。何か…変な感じするよな」
見た目が他の異形とは異なり少し人型に近い様に思える最後の一体を見て、三人は刀を握る手に力をこめる。
慎太
「気を抜くな」
結莉乃、眞秀
「うん/嗚呼」
眞秀と慎太が地を蹴って間合いを詰め、同時に腕を切り落としにかかるが…素早い身のこなしでそれを避けられてしまう。だが、振り向きざまに二人が刀を振ると今度は背中に傷を負わせる事が出来た
異形
「ウゥ…」
二人のお陰で出来た隙を利用して結莉乃は、軽く蹲っている異形に刀を振り下ろす…が
異形
「アアッ…!」
結莉乃
「……っ!?」
眞秀
「結莉乃!」
思い切り上体を起こした異形から真っ黒な靄のような物を幾つか放出し、近くに居た結莉乃はそれに巻き込まれる。眞秀と慎太は慌てて近付こうとするが、それを阻む様に黒い靄が蠢く