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「鬼の花嫁」世界に迷い込む

第7章 馴染みゆく彼女の存在は大きくて




結莉乃
「これで終わりかな?」

眞秀
「そうだな…完璧…だよな?」

慎太
「嗚呼。記入されているものは全て買った」

結莉乃
「良かった」

慎太
「ところで…」

結莉乃、眞秀
「?」

慎太
「結莉乃が良く付けている簪は眞秀が贈った物だったよな」

眞秀
「ん?嗚呼、そうだけど…それがどうかしたのか?」

慎太
「狡いと思っていた」

結莉乃
「狡い?」

慎太
「嗚呼。俺にも何か贈らせてくれ」

結莉乃
「え、そんなっ…良いよ別に」

眞秀
「ははっ、貰っときゃ良いんじゃねぇか?」

結莉乃
「えぇっ」


突然の言葉に驚いていたのに、その上何かを贈りたいなんて言われれば結莉乃は慌ててしまう。だが、慎太は既に送る気満々で目が輝いているようにも見えた。

慣れてきてしまっていたが、此処はゲームの中だ。キャラクターの彼等と共に出掛け…ゲーム内にも無い事を出来ているのだから楽しまなくてはいけないのでは?という思考に結莉乃はなった


慎太は一軒の店の前で脚を止めると、小さな耳飾りを眺めた。その横から眞秀が覗き込む


眞秀
「耳飾りか…良いな」

結莉乃
「本当だ、可愛い」


眞秀が覗いた逆側から結莉乃が覗き笑みを見せると、慎太は嬉しそうに口角を僅かに上げた。慎太は柔らかい桃色の耳飾りが結莉乃の様だと感じ、迷わずそれを購入した


結莉乃
「本当に良いの?」

慎太
「嗚呼。受け取ってくれ」

結莉乃
「ありがとう」


耳飾りが入った紙袋を受け取ると結莉乃は嬉しそうに笑みを浮かべた。だが次の瞬間、眞秀の勘弁してほしそうな声が届いた


眞秀
「ったく…どこにでも現れやがるな。せっかくの買い物だってのに」

慎太
「仕方ない。異形には関係無いからな…町から離すぞ」

眞秀
「嗚呼。…結莉乃、行けるか?」

結莉乃
「勿論!」


気が付けば結莉乃も当たり前のように戦う仲間として数えられるようになってきた。強いとは勿論言えないが、それでもその中に自分がいれるのが嬉しい結莉乃は表情を引き締めつつ袋を大事にしまい二人の背中を追い掛ける



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