• テキストサイズ

「鬼の花嫁」世界に迷い込む

第7章 馴染みゆく彼女の存在は大きくて




天音
「アイツは違った。男が産まれたのにそれを受け入れずに、元々決めていた天音を付けやがったンだ。…オレは途中まで女みてェに育てられた。馬鹿だろ、現実受け入れろっつーの」

結莉乃
「天音くん…」

天音
「てめェは必要ねェって言われてンのかと思ったわ。で、女として育てられる、それも良く分かってねェ頃なら大人しくしてた。だが、色ンな物を禁止されればされる程、それが気に食わなくてオレは…アイツの思い通りになりたくねェと思った。抑圧され過ぎたオレは爆発して強さと戦いを求めるようになった」


だから、天音くんは好戦的なんだと…強いのに更に強さを求めるようになったんだと思った。徹底的に荒々しく…彼の抵抗。
結莉乃は何だか悲しくなり眉を下げて天音を見る


結莉乃
「私は此処に天音くんが居てくれて良かったって凄く思ってる。弱い私を動ける様にしてくれた…私には天音くんが必要だったんだよ」


彼女の言葉を聞いて天音は、どこかで自分という存在を認めて欲しかったのかもしれないと思った。だから、抗う意味合いもあったが自分を認識させる為にも背いたのかもしれないと…考えた。

一生懸命に伝えてくれる結莉乃の優しさに安心した。此処に自分を必要としてくれる人が居た、その事実が天音が思っているよりも心を穏やかにした


天音
「アンタの言葉は不思議と素直に聞けるわ、変だな」

結莉乃
「ふふ、そっか。…この屋敷にはどういう理由で?」

天音
「あー…オレは自分より強ェ奴はいねェと思ってたンだ。自分の領主にも勝てンじゃねェかって…けど、呆気なく大将に負けた。此処に居る奴はオレが会ってきた奴等よりも遥かに強かった。…たかが、だったんだオレの吸収してきた強さは。ンで、強さを求めて屋敷に来た」

結莉乃
「そうだったんだ…。でも、良く胤晴さんが出て来てくれたね?凪さんが止めそう…」

天音
「止めてたなァ。けど、オレがしつこく行ったら大将が出て来たンだ」


その時を思い出しているのか天音は少し楽しそうに笑っていた。先程の寂しそうで呆れた様な笑みとは異なっていて結莉乃は安堵の息を小さく吐き出した



/ 268ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp