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「鬼の花嫁」世界に迷い込む

第3章 始まった非日常




眞秀
「駄目元で口を出してみたが…本当に屋敷へ招く事になった時は俺も驚いた」

結莉乃
「格好が珍しくて変だから野放しにしときたくなかったとか…?あ、必死だったからかも」

眞秀
「今の大将じゃ、あれで招くとは思えねぇんだよな…」

結莉乃
「そっか…。でも、住む場所見付けるまでだから早くしないと追い出される可能性ありそう」

眞秀
「やりかねないな…。ま、気紛れとでも思っとけ」


結局、何で招いたのか…その理由は分からないまま二人の会話は空へと溶けていった。

景色を堪能した二人は甘味処に寄ってから帰る事にして、そこへ向かう為に先程の場所へ続く細道を抜けると


眞秀
「止まれ」


静止を促しながら自身の前に出された腕を不思議に感じつつも、結莉乃は言われた通り歩みを止めた。尖った声に気配を感じ取れないながらに結莉乃は、何かが居るんだと…予想出来た。


「ウゥ…」

結莉乃
「あれ…って」

眞秀
「異形だ」


身体は丸くてゴツゴツしていたり、ドロドロと液状の物が垂れていたりと様々な姿のまさに異形という表現が正しい者が、六体も木の影から現れた。


結莉乃
「な、何で異形は襲ってくるの…っ」

眞秀
「推測でしかねぇが俺達、妖を襲うのはその姿になれると思っているから…そして、人間を襲うのは養分だ」

結莉乃
「養分…って」


声も身体も震わせながら結莉乃は眞秀に問い掛ける。その間にも異形は二人を囲い込む


眞秀
「俺から絶対、離れるなよ」

結莉乃
「う、うん…!」


自分には戦う術など無くて、ただ守られる事しか出来ない。ゲーム特有の何かで特別な力が現れたら…なんて、何ともゲーム思考を結莉乃は発動していた。


結莉乃
(でも、ああいうのってヒロインとか特別な子しか無理なんだよね…)


この世界に何故か飛んできてしまっただけの自分がヒロインな筈がないと結莉乃は呑気に考えていた。だが、現実に戻ると異形が不気味な笑みを浮かべていて身体が震えた



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