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「鬼の花嫁」世界に迷い込む

第3章 始まった非日常




結莉乃
「ありがとう…。本当に綺麗な場所だね、此処」

眞秀
「だろ。俺も気に入ってんだ」

結莉乃
「そうなんだ」


花や木を見ながら結莉乃は楽しそうに答える。


眞秀
「この世界の事を説明する。…座ろう」


その言葉に結莉乃が頷いて振り向くと、小さな岩の上にハンカチが置かれていた


結莉乃
「ハンカ……あ、えっと…手拭い良いの?汚れちゃうよ?」

眞秀
「大丈夫だ。座ってもらう為に持ってきたんだからな」

結莉乃
「そっか…ありがとう」


咄嗟に手拭いと言い直した事に関しては不思議に思われなかった様で結莉乃は安堵しつつ、素直に従う事にしてハンカチの上に腰を下ろした。その隣に眞秀が腰を下ろすと説明を始めた


眞秀
「此処は五つの領で成り立ってる。まず俺等が居る鬼の領、壬生( ミブ )は全ての領の中心にあるんだ。で、その周りを囲んでんのが猫と狐と兎が主に集まった女性だけの領 杠( ユズリハ )、鳥類と爬虫類の領 玲瓏( レイロウ )、種に拘らない領 叢雨( ムラサメ )、人間の領 上安曇( カミアズマ )だ」

結莉乃
「主にって言ってたけど杠領には他の種族の女の人も集まるの?」

眞秀
「嗚呼。その三種族が多いってだけで他の種族も居る。が、住めんのは女限定だ」

結莉乃
「男の人は入る事できないの?」

眞秀
「いや、入んのは出来る…観光程度ならな。でも、住む事も宿泊も許されねぇ」


女性しか住んでいない、というのはゲーム内で知っていたが…そこまで徹底された女性限定だとは思っていなかった為、結莉乃は少しだけ驚いた。


結莉乃
(そういえば…領の行き来って許可証がいるんだったよね…)


彼女がゲーム内でそう説明されていたのを思い出していると、まるで心でも読んだかのように眞秀が口を開く



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