• テキストサイズ

「鬼の花嫁」世界に迷い込む

第15章 解ける心




結莉乃
「ふっ…!」


結莉乃は再び防御を、ぐっと押して異形を七体後退させる。その瞬間に防御の解除を行い一体目掛けて刀を振り下ろすが、立て直すのが早かった別の異形が結莉乃に向かって腕を振り上げていた


結莉乃
「う…っ」

和都
「結莉乃さん…!」


防御が間に合わず結莉乃は左腕を負傷してしまった。だが、避けられたお陰でかすり傷で済んだ。驚いた和都は声をあげるも軽い傷で僅かに安堵する。再び防御を発動させ結莉乃は異形を見据える


結莉乃
(さっきの異形も倒すつもりだったのに…腕を切られる事に気を取られて傷付ける事しか出来なかった…!)


ぎりっと奥歯を噛みながら結莉乃は眉間に力を込める。未だ七体の異形は防御壁を破壊させようと腕を振り下ろし続ける


結莉乃
「く、っ…」


一撃ずつが重くて力を込めた脚が地面にめり込み、僅かに後退させられる。和都はその姿を見て先程の自分の考えを反省した


和都
(彼女は本気で守ろうとしてくれているのに…私は…)


結莉乃が思い切り力を込めて防御を押すと何とか異形を後退させる事ができ防御を解除し先程、傷を付けただけの異形の身体を貫く。その異形が倒れるのと同時に防御を張る


結莉乃
(効率は良くないかもしれないけど…このやり方しか今の私には出来ない。素早く斬りかかったとしても皆みたいに力が無い私の刀じゃ軽い…数回は攻撃しないと倒せない。和都さんが怪我しなければそれで良い…和都さんの元まで到達しない間に攻撃を増やす。地道過ぎるけどこの方法で何とかやるしか…!)


地面に踏ん張り防御を押す力を先程よりも強くする。そして、勢い良く防御で異形を押した瞬間に解除して間合いを詰める


結莉乃
「ふ、っ…!」

異形
「ギィ…!」


先程よりも後退させた事により和都と異形の間には更に距離が出来た。それを利用して結莉乃は素早く切り込む。異形が振り上げた腕を避けて脇腹に思い切り刀を刺す。異形が倒れるのを見る事も無く次の異形へ向かう



/ 268ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp