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「鬼の花嫁」世界に迷い込む

第15章 解ける心




勿論、和都も異形を見た事はある。だが、ここまでの数を間近で見た事は無くて恐怖に震える。普段であれば従者が守ってくれるが今、和都の目の前には命を奪おうとした結莉乃の背中しかない


和都
(こんな私を…彼女が守ってくれるとは…)


限らない、と自分が悪いとはいえやり返すには絶好の好機だと…結莉乃がいつ裏切るか分からないと和都は思ってしまうのだった。

だが勿論、結莉乃はそんな事を考えてはいなかった。のそのそと歩いてくる八体の異形を見据えながら必死に考える


結莉乃
(私の防御は手を出さないと発動出来ない。一回ずつ出して異形に隙が出来たら攻撃する?でも、やった事無い事をいきなり出来る?どうしよ…全然、余裕が無い…。皆こんなに凄い事をやってくれてたの!?…こんなんじゃ駄目…落ち着かなきゃ、しっかりしろ私!)


いざ自分が守らなければならない状況になって、改めて自分を守ってくれたり住民を守る彼等の凄さを理解する。

結莉乃は気合を入れると先程、思い付いた事をやろうと決め息を吐き出し背後に居る和都へ異形を見ながら声を掛ける


結莉乃
「私が絶対に守るので、そこから動かないで下さい!」

和都
「え…っ」


嘘か本当か…縫い付けておいて何かをするのか、和都は結莉乃の真意を読めないでいたが…どうせ恐怖で動けないと思い頷くしか無かった


結莉乃
「よし…」


結莉乃目を瞑り気分を落ち着けようと再び息を吐き出すと、カッと目を開き防御している壁を押し異形を後退させる。そして、早まる鼓動を無視し防御を解除すると一番近くに居た異形に思い切り刀を振り下ろしよろめくのを見て…身体を貫く


異形
「ヒギャア…!」


異形をは歪な叫びをあげて倒れる。結莉乃はすかさず防御を発動させる


結莉乃
(出来た…!)

和都
「……凄い…」


脳内で考えていた事が出来て結莉乃は一瞬だけ安堵し、気が付いたら止めていた息をする。和都は結莉乃が異形を倒すのを見て率直な感想が零れていた



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