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「鬼の花嫁」世界に迷い込む

第14章 彼岸花の毒




和都
「私は…この屋敷の皆さんが好きです。毎年この時期に此処へ訪れられる事を私は楽しみにしていました。ですが、今年は…結莉乃さんがいらっしゃいました。全てが彼女を中心に動いている様で…私の心は焦りと不安で覆われました。だから…」

天音
「…ンだよそれ…結莉乃が邪魔だったから殺そうとしたっつー事かよ。自分勝手にも程があるだろ…!」

和都
「…だって、急に来たのに毎年来ている私よりも胤晴様との距離が近くて…皆さんとも仲が良い!それも、この屋敷に住んでいるなんて!許せなかったんです!」


天音の言葉と自分がどういう理由で結莉乃を殺めようとしたかを話した事により、和都の気持ちは昂り声を荒らげる

和都の話に全員から苛立ちの色が覗き室内に沈黙を落とす


結莉乃
「…っは…和都さんの事…ぅ…責めないで、ください…」


沈黙を破ったのは苦しげに小さく告げる結莉乃の声だった。全員が其方に目をやると胤晴に膝枕をされたまま天井を見ていた結莉乃の瞳が小さく揺れ、起き上がろうとする。だが、それを胤晴が制する



「何を…貴女は殺されかけたのですよ?」

結莉乃
「でも…きっと、私が和都さんが…はっ…大事にしていた場所、を取ってしまったんだと、思うんです…」

胤晴
「まったく…君はどこまでも優しい…いや、お人好しなのか」


そう告げながらも胤晴は結莉乃が目を覚ました事に安堵し、仕方ない…と彼女を見て笑う。

和都は命を奪おうとしていた相手に庇われると思っていなかった為それに驚く。それと同時に敗北や怒りの様なものが湧き上がってくる


和都
「何よそれ…命を奪おうとした相手を庇うなんてっ…何故そんな言葉を掛けられるのよ、っ…」


彼等に好かれる為にそう偽っているのではないか、歪んだ心に成長してしまった和都はそう思って仕方ない。そんな和都を見て天音が文句を告げようとしたが、それを慎太が止める



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