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「鬼の花嫁」世界に迷い込む

第14章 彼岸花の毒




結莉乃
「あ!天音くんお尻蹴るなんて…すけべ」

天音
「あぁ゙!?てめっ…巫山戯ンな!」


揶揄う様な笑みを浮かべながら述べる結莉乃を見て、天音は耳まで赤くして逃げる結莉乃を追い掛ける。それを見た胤晴は、仕方ないな…とでもいうような表情を浮かべながらも口元は笑んでいる


胤晴
「全く…騒がしいな」

和都
(でも、凄く楽しそう…)


見上げる先で楽しそうに二人を視線で追う胤晴を見て和都の中の魔物は先程よりも成長するのだった。

結莉乃が戻ってきた日常に全員が以前通りの時を刻み始めた。そして深い闇が町を覆い、皆が寝静まった頃…一つの影が鬼城をこっそり出て行った


和都
「ありがとう」

「ですが姫様、こんな夜中に鬼城を出て大丈夫なのですか?」

和都
「はい。胤晴様からは許可を頂いております」

「そうですか。球根は鬼城の皆様と植えられるのです?」

和都
「ええ」

「また来年の秋には綺麗に咲いている姿を見られますね」

和都
「ええ、そうね」


和都が屋敷の外で会ったのは自身の屋敷の者。その屋敷の者は心から彼岸花が綺麗に咲く事を願っているようだが…当の本人はそうでも無さそうだった。

そこで別れると和都は何事も無かったように鬼城へ戻り作業へ取り掛かった



翌日の夕刻─…
夕餉を作りに台所へ向かっている途中の結莉乃へ艶やかな黒髪を揺らして和都が近付いた


和都
「結莉乃さん、少し宜しいですか?」

結莉乃
「あ、和都さん!はい、どうかしたんですか?」

和都
「私の屋敷で良く食べている醤油漬けがあるんです。普段、私はやっていないのでお料理上手の結莉乃さんのお口に合うかは分からないのですが…是非、貴女に召し上がって頂きたくて」


自分の為にわざわざ慣れない事をしてくれた、それが嬉しくて結莉乃は目を輝かせて笑う



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