第10章 帰ってきたと思える場所
園華
「女性も働けるを信念にこの領は動き…そして、ここまで大きくなりました。ですが、幾ら鍛錬しているとはいえ男性と女性では筋肉量が異なります…今回の件を経て彼女達が血塗れになり、眠らされた事で…」
結莉乃
「園華さん」
園華
「………?」
結莉乃
「どれだけ鍛錬された男性でも絶対に怪我をしないとは限りません。それに、町の人の被害が少なかったのは茉白ちゃんと凛子ちゃんの部隊士さん達が身を呈したお陰だと思います。…それって凄い事です。誰だって怪我するのも命を落としてしまうかもしれないというのは嫌です。身を呈して守る事は男性だって出来る人は少ないです…それを彼女達はしたんです」
園華
「結莉乃さん…」
結莉乃
「杠がここまで大きくなったのは女性達を思って動いている園華さんや、その思いに賛同した人達の成果です」
園華
「……そんな風に言ってもらえるなんて嬉しいです。少しでも自分の信念を曲げようとした事が恥ずかしいです」
結莉乃
「そんな事ないです。だって、それは園華さんが此処で過ごしている女性達の事を考え…大切に思っている証拠です。大切な人が傷付くのは誰だって見たくないですから」
結莉乃は園華を見ながら笑みを浮かべる
結莉乃
「でも大丈夫ですよ。私に言われなくても知っているとは思いますが、強い茉白ちゃんと凛子ちゃんが居ます」
園華
「そうですね。もっともっと…彼女達を頼ろうと思います」
綺麗に…そして優しく微笑む園華を見て結莉乃は嬉しくなった。
結莉乃が回復した事もあり園華は彼女を連れて胤晴と凪が居る部屋へと案内した
凪
「もう宜しいのですか?」
結莉乃
「はい、お待たせしてすみません」
凪
「良いのですよ。回復したのですから」
胤晴
「帰るぞ」
結莉乃
「はいっ」
門前には園華と凛子、茉白が結莉乃達を見送るために並んでいた