第9章 力を貸して下さい
その後、朝餉を皆で食べ終えると結莉乃は昨日の続きを行う為に園華と茉白に昨日とは違う部屋に案内された
園華
「結莉乃さん、体調は大丈夫ですか?」
結莉乃
「はい。しっかり寝たので大丈夫です!」
園華
「良かったです。ですが、無理だけはしんといて下さいね」
結莉乃
「分かりました」
部屋に入ると、そこにも昨日と同じ光景が広がっていた
園華
「彼女達は凛ちゃんが率いている部隊の隊士です」
結莉乃
「そうなんですね…」
結莉乃は気合を入れると前日同様、全員の怪我を治していった。十人、治し終えた所で二人を振り向く
園華
「屋敷内の隊士は後、五名です」
結莉乃
「後は町の人ですね」
園華
「ええ。お願い出来ますか?」
結莉乃
「はい!」
他の部屋に居た五人も治し終える
園華
「お身体は?」
結莉乃
「大丈夫です!」
園華
「良かったです。…私は他にやる事があるんで町へはついて行けませんが、宜しくお願いします」
結莉乃
「分かりました」
茉白と共に屋敷の門へ近付くと、二人に向かって手を振る凛子が立っていた。凛子の片手には馬の手綱が握られており、早く早くと手招きされる
凛子
「結莉乃ちゃんは馬ね!あ、この子は凛子の愛馬なの」
二又の尻尾を揺らしながら凛子は楽しそうに紹介してくれる。毛艶が良くて優しい表情をしている馬を結莉乃は見上げる
結莉乃
「宜しくお願いします。えと…」
凛子
「きな粉って言うのよ!」
結莉乃
「きな粉ちゃん」
その様子にきな粉は優しく結莉乃の腕に鼻を押し付ける。愛らしい姿に結莉乃は目を細める。自分だけ馬に…そう思ったが、恐らく昨日の様になってしまった時の対処なのだろうと理解すれば何も聞かない事にした