第1章 鍛刀力がありすぎる審神者
「主さま、鍛刀が完了しますよ!」
「あっ、本当!?」
気づくと、目の前にあった木炭などの素材は跡形もなくなり、淡い光が刀剣の形をなしつつあった。
集中を切らさないまま、霊力を注ぎ続ける。
どの刀剣なのだろう。
誰が来てくれるのだろう。
はやる期待に、胸の高鳴りが抑えられない。
さっきとは全然別種の緊張が、身体の中心を駆け抜けていく。
淡かった光は急速に強さを増し、まばゆい輝きを放射しだした。
もうはっきりと形が浮かび上がっていた。
次の瞬間、限界まで溜められたエネルギーが一気に弾け、激しい光が迸る。
部屋全体が一瞬真っ白になる。
「――っ」
目をとっさに背けたが、つぶった瞼の裏がまだチカチカしていた。
来たんだ、神様が。
恐る恐る目を開く。
そばにいたこんのすけも、目をぱちぱちさせていた。
私は光源だったものに視線を戻す。
そこに鎮座していたのは、威厳を湛えた1メートルはありそうな刀……って、
「え……」
こんのすけから、困惑MAXな声がもれていた。
たぶん私も、同じタイミングで同じリアクションをとっていたと思う。
えっと……なんか、長くない?
ていうか、でかくない?
え?
た……短?
短刀?