第4章 短刀推しがすぎる一期一振 ㏌ 短刀しかいない本丸①
というか修行から還ってきた男士を前にして、毎回毎回それはもう丁寧に発狂している。
逆に発狂しないわけがなくないか?
発狂せずにはいられなくないか?
元々はこういう性格だったのかなと思うと、過去の様々な思い出がより一層輝かしく思え、実はこう思ってたんだよね? こうしたかったんだよね!? と妄想が無限大に広がっていくので、本当に知恵熱が出た。
発狂と知恵熱はセットである。
顕現がされて長い男士は、帰還の出迎えと、私が熱を出して寝込んだときの看病セットを一緒に用意するほどだ。申し訳ない。
ともかく。
明らかにキャパシティー(なんの?)超えに見えた一期には、これ以上の刺激は強すぎると判断し、他の短刀の動画は次回に持ち越しとなっている。
ちなみに日時と場所ももう決めた。
次はプロジェクター上映である(一期の希望)。
「それがね、一期がキャパオーバーっていうか、今回は数人しか見せられなくて」
「きゃぱおーばー?」
明らかなひらがな発音をする不動くん。
首を少し傾げ、意味がわかっていないふうの顔だ。カメラカメラ……
「でも大丈夫っ! 不動くんの動画は次回披露することになってるから!」
「うわあああ! だから見せないでいいって!」
「一期が全員分見たいって言ってるんだもの、諦めて」
「ぐっ……!!」
「そんな黒歴史扱いしないで! 極前の不動くんも今の不動くんもどっちも不動くんだし、どちらもかけがえなく愛らしくて大好きだから!!」
「も、もう知らないよっ! 俺広間行ってるからね!!」