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××すぎる審神者シリーズ【刀剣乱舞】

第4章 短刀推しがすぎる一期一振 ㏌ 短刀しかいない本丸①


前田と文章の構成が同じなのである(名乗る→近況報告→主を気遣う→一年後の自分予想)。

当時聞いたところによると、

「一年後の自分へメッセージ動画を撮ろう! メッセージ考えて!」

という私の懇願を受けて、内容に困り果てた五虎退は前田に相談したらしい。

ほかにも困った男士がいたらしく、数人でわいわいとメッセージの文章を作成したそうだ。

その光景を想像するだけでかわいい。かわいいが過ぎる。 

五虎退の振る舞いは、気弱と表現できるものだ。

わりとすぐにびえびえと泣き出すし(かわいい)、出陣よりも内番を割り当てられたときの方が嬉しそうにする。

だが、敵を痛めつけたくないという五虎退の意思は、その気弱さとはどこかちぐはくに思えた。

白い細腕で刃を煌めかせ、その鋭い一閃で敵を屠る五虎退を見たとき、思ったのだ。

勝つ前提じゃん、と。

修行から帰還した今は、少しだけれどもさらに自信がついたように見えて、私まで嬉しくなるのだ。

「手加減しますから」なんて、本当に強くなったんだなと。

初心者や力のない者は、全力でやる以外の術を持たないからだ。

などと思っていると、

「うっ……」

一期が口を抑え、嗚咽こぼした。硬く閉じられた瞳からは一筋どころではなく、止めどなく涙が溢れている。

え、何、ヤバい。本当にやらかしたヤバい。

「一期!?」

「……(泣いている)」

「む、無理しないで! そうまでして見なくて本当に大丈夫だから!!」

「違うのです……違うのです……」

なんか江雪さんみたいな口調になっちゃってるよ……と思いながらひたすら困惑する。

違うとはどういうことなのか。何が違うのか。
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