第4章 短刀推しがすぎる一期一振 ㏌ 短刀しかいない本丸①
この動画は、撮った時期は男士によって様々だが、顕現順になるよう編集してある。
初期刀の前田は、当然最初に流れる。
つまり最初の時点でこれだけ解説が出てくるような暴力的魅力を炸裂させているわけだ。
あと何十振りいる? 果たして無事で見終えられるのか?
このファイルは私にとっては兵器である。
主に私が死ぬ。
「僕は、五虎退です。あの……えっと……あぅ、すみません! えと、えと」
最初はカメラをしっかり見据えていた五虎退は、言葉に詰まったかと思うと泣きべそをかき、慌てて手元のメモに目を落とした。
すでにかわいさが核融合反応を起こしてるわけだが、大丈夫か? 私が。
「ご、五虎退です。ちょっと前に、修行から帰ってきました」
たどたどしい口調で、五虎退が話し始めた。
まわりの虎さんたちは、「ガンバレ!」とでも言うように五虎退をひしと見つめる子、鼻を体にすりつける子、撮影などお構いなしに無邪気にじゃれつく子などさまざまだ。
「あるじさまはお元気ですか? 一年後の僕は、どのくらい強くなっているかわからないですが、でも、もっと強くなれているのかなってちょっと楽しみです」
おわかりいただけただろうか?