第3章 ネガティブすぎる審神者
なんとか本丸に戻ると、刀装の作り方や装備の方法、内番や遠征など一通りの説明を受けた。
この刀装作りというのが難しい。何度か作っていればその内慣れるだろうか。
特上がなかなか作れないことに失望されていやしないか、不安が一度かすめたが杞憂だった。
資源の配合によって何が作られるかは決まっているらしい。
並や狙ったものが出ないたび、審神者が不安そうに配合表と資源を見比べていた。
「やはり私の霊力では……」と鬱々とした顔で並の軽歩兵を見つめる審神者に、「運もありますから!」とこんのすけがすかさずフォローを入れていた。
「俺は並の方が気負いなく使えるんだが」
特上を壊すのと並を壊すのとではわけが違う。
だいたい特上なんてものは他の男士につけさせればいいのだ。
俺には並くらいがちょうどいい。
と思っていたのだが、審神者はそうではないらしい。
特上を装備していただくことが模範的審神者の装備行動です、などと言われてしまった。
「なのに私は……」
とまた鬱々としだしたので、またフォローしなければならなかった。
その審神者が突然ハッとして、俺に向き直った。
土下座せんばかりの勢いで、というか畳に座っていたのでほぼ土下座の状態で、審神者が頭を下げる。