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目眩く一時 ~刹那の情事~

第9章 優しさの中に芽生える嫉妬心



食べきれないほどの梅昆布おにぎりとたくあん、味噌汁を用意され

「朝からこんなにたくさん、流石に食べられませんよ」

困りながらも嬉しそうな炭治郎に

『食べられるだけ、食べてお腹いっぱいにして?残ったら、多分…伊之助君が食べに来るから』

少し笑いながら、話すと

『さっき、食べさせてって言ってたけど…あーん、する?』

おにぎりを1つ持ち、あーんの口をするみずき

「…してくれるなら、たくさん食べますよ?」

いいです、俺、長男なんで!って絶対言うと思ったのに

少し照れながらもあーんとしてくる炭治郎にキュンとする

『ふふ、いいよ。はい、たくさん召し上がれ?』

甲斐甲斐しく、炭治郎に食べさせていると

「おいィ、炭治郎の分際でイチャイチャしてんじゃねぇぇぇ!!」

ぎぃやぁぁぁぁぁっと汚い高音が響く

「みずきさ~ん、俺にも~食べさせてほしいな~」

鼻の下を伸ばしながら、すり寄る善逸をヒラリと避ける

「善逸君、おはよう。たくさんあるから食べていいよ~」

軽くあしらってると

「ぬはははっ!旨そうな匂いだ!」

と伊之助が現れ、台所が大騒ぎになってしまい

「静かになさって下さいっ!!」

アオイの怒鳴り声が響いた

みずきが慌てて謝ると

「まったく、みずきさんが甘いから皆が甘えるんです!みずきさんはもっと厳しくあるべきです!」

『ごめんね、アオイちゃん。ちゃんと静かにさせるから~』

「…分かりました、お任せしますね」

アオイは善逸や伊之助を睨んだ後、台所から消えていった

『…はい、じゃあ静かに食べようね』

その柔らかな笑顔に皆、大人しく食べたのだった


ーーー


その後、みずきが煉獄の病室へ行く度に炭治郎がついて来るのでそれ以上何も起こらなかった

心配して早めに戻った胡蝶もその様子を見て、察し

「やはり、炭治郎君にお任せして…良かったです」

優しい笑顔でそう小さく呟いた



みずきはここ暫く、任務と蝶屋敷の連続で休みなく動いていたが

次の日は炭治郎の非番と重なると言うのもあり

「今日はそのまま、炭治郎君とどこかで過ごして下さい。明日、1日ゆっくり休んで明後日からまたお願いしますね~」

と、胡蝶の計らいで半ば強引に蝶屋敷を追い出された



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